スイッチの選定、これが肝心です!
意思伝達装置を操作するために、どのスイッチを使うか、うまく使えるのか。これが一番デリケートで時間を要するところです。
・正確に、押せるのか、感知させられるのか?
力が入れられるのか、動かなかったり、指や手が震えたり、いきなり突発的に反応したりしないか…
いつも、一定の動作ができにくい場合もありえます。
・長時間使えるのか、繰り返し動作できるのか?
疲れると動かせない、眼振:視線が震えて一点を見つめられない、両目でしっかりと見続けられない…
だんだん、目が見えずらくなっていく場合もありえます。
徐々に動かなくなる進行性の難病の場合、たとえばALS、多系統萎縮症のケースでは、腕や手や指、そして足が動かしにくくなっていく過程のどこかで、「スイッチ」を選定しなければなりません。この適切なタイミングは、医療者:主治医の判断となります。
導入する段階で、動かせる「身体動作」が、どの部位でどの程度なのかを把握し、使えそうなスイッチを試す、これを繰り返しながら「使える機種」を選定していきます。
画像:左手中指の指先をわずかに伸ばす(手の甲側にあげる)ことで、プラケーススイッチ(透明な部分)を押している例です。
意思伝達装置は、近年「視線」入力の依存度が高まってきています。かかる費用が、通常のスイッチ式と変わらなくなってきていることがあげられます。
視線入力は、まず、モニターに表示された「文字」や機能ボタンから、たとえば「文字」を選んで、注視(一定の時間見つめ続ける)、あるいは、まばたきにて「確定」入力します。
実際に体験してみて、スイッチ操作より楽な方法だと思われる方が多いのですが、
視線入力装置の細かな調整や、意思伝本体の設定により、当事者が使いこなせるかどうかが決まります。注意したいのは、決して誰にでも「万能」ではないということです。
・長時間の使用による、眼の酷使からくる眼病を発症したりした例もでております。
「視線」だけでなく、スイッチ操作が使える「身体動作が可能なら」なら、まずは当事者に適した「スイッチ」を使うこともお勧めします。