意思伝達支援Q&A~入門編~

iCareほっかいどうや意思伝達支援、意思伝達機器についての疑問にお答えします。

A.iCareほっかいどうについて

Q iCareほっかいどうって何をしている団体なんですか?
A iCareほっかいどうは、重度の障害をもつ方の意思伝達を支援しているNPO(特定非営利活動法人)です。最近は、重度の障害を持つお子さんたちを対象とする放課後デイばおばぶの運営もしています。

Q 意思伝達の支援ってどんなことをしているのですか?
A 神経難病などで話すことも書くこともできなくなった人のコミュニケーション(意思伝達)のお手伝いをしています。具体的には、コミュニケーション機器などの研修会開催や情報提供、体験機会の提供、機器導入のお手伝い、導入後のサポートなどを行っています。

B.機器について

Q コミュニケーション機器とはどんなものですか?
A 話したり書いたり出来ない人がスムーズなコミュニケーションをとれるよう、補助する機器です。パソコンなどのICT(情報通信技術)を利用して、身体の限られた動きで使えるよう工夫されており、携帯用会話補助装置、重度障害者用意思伝達装置などがあります。

Q デジタル機器は苦手ですが?
A デジタル機器以外にも、透明文字盤や口文字といったコミュニケーション手段があります。文章を読み取ってくれる人が側にいないと使えませんが、低コスト、シンプル、停電に強い、といったメリットがあります。他のコミュニケーション機器と併用すると、双方のよさを引き出すことが出来ます。

Q 各種コミュニケーション機器のそれぞれの特徴は何ですか?
A パソコンを土台としている機器は、元々パソコンですので、いろいろなことができます。その分、多少なりとも、パソコンの知識があったほうが使いやすくなります。一般に高度な機能を持つものほど、設定項目が増えますので、サポート態勢ができてないと、せっかくの機器が埃をかぶってしまうことにもなりかねません。あまり機能を欲張らず、シンプルなタイプにした方がいい場合もあるでしょう。

Q どうやって操作するんですか?
A 携帯用会話補助装置には指で文字盤のボタンを押すタイプのものもありますが、多くのものは、ごく僅かな動きでも反応するスイッチやセンサーをつないで操作します。最近では視線を使って操作できる機器が増えてきています。

Q 簡単に使えますか?
A パソコンを使っていた方であれば、すぐに使うことができるでしょう。デジタル機器にはさわったことがない方でも、すこし練習すれば、十分使いこなせます。ポイントは前向きの気持ちと好奇心でしょう。

Q 意思伝達だけにしか使えないのですか?
A そんなことはありません。国では意思伝達に加え、生活に最低限必要な「家電操作、コール機能、メール機能」を活用することまでは認めてくれています。
一方、パソコンに専用ソフトを入れた機器では、その他のソフトを入れることが出来るかもしれませんが、機器の安定性などから装具給付制度の中では認められていません。購入時に搭載されているもの以外のソフトを入れてトラブルとなった場合は、修理のための補助金も使えない可能性があります。制度を活用して導入した場合は、制度の枠内での適切な利用が求められています。

Q スマホをつかっていますが、これを利用できませんか?
A スマホはタップができれば使えますので、パソコンよりも使える可能性が高くなります。また、スイッチで操作することができる機種もあります。iPhoneやiPad用のアプリにも、コミュニケーション補助の機能を持つものが出てきています。

C.導入について

Q いつ頃導入すればいいですか?
A 基本的にはお医者さまなどから導入を勧められたとき、ということになりますが、できれば早めに体験だけでもされておくほうがいいでしょう。また、症状によっては、意思伝達装置を使い始める前に、日常生活用具給付制度を使って、携帯用会話補助装置や情報・通信支援用具の導入が可能になる場合があります。くわしくは、iCareほっかいどうまで、お問い合わせください。お問い合わせはこちらからお願いします。

Q 意思伝機器の体験をしてみたいのですが、どこでできますか?
A まず、iCareほっかいどうにご連絡ください。事務所にお越しいただいての体験(こちらは無料です)や、ご自宅等へスタッフが機器を持参しての体験(こちらは有料となります)をしていただくことができます。貸し出し中などで機器が手元にない場合もありますので、日程等はご相談の上、調整させていただきます。iCareほっかいどうへのご相談は こちらからお願いします。

Q 購入費用はどれくらいですか?
A 代表的な意思伝達装置は本体が45万円くらいします。そのほかに、呼び鈴やスタンドをつけると、5,60万円くらいになりますが、助成制度を利用すれば、1割程度の負担で済みます。

Q 助成は誰でも受けることができますか?
A 身体障害者手帳や難病認定など、一定の基準を満たしている方に限られます。

Q 制度を使って申し込むにはどうしたらいいですか?
A まず、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)、担当のケアマネージャーなどにご相談ください。iCareほっかいどうでも、ご相談を受け付けています。

Q 制度の申請手続きは大変でしょうか?
A 揃えなくてはいけない書類等がかなりありますが、iCareほっかいどうもお手伝いできます。ご相談は こちらからお願いします。

Q 制度を利用した場合、機器をすぐ使い始めることができますか?
A 機種にもよりますが、申請の準備に1ヶ月以上、申請してから1,2ヶ月以上かかることが多いです。

Q 自費での購入はできないのですか?
A 費用がかさみますが、自費での購入は可能です。申請の手続きが不要になりますので、購入の申込をしてからおおむね1ヶ月以内には使えるようになります。

Q 意思伝達装置のレンタル(借受け)が始まると聞いたのですが?
A 重度障害者用意思伝達装置(補装具)の借受け制度については、まだ詳細がわからないところも多くございますので、お手数ですが、直接、札幌市身体障害者更生相談所(札幌市の方。札幌市西区二十四軒2条6丁目 電話番号011-641-8852)か、北海道心身総合相談所(札幌市以外の方。札幌市中央区円山西町2丁目1-1 電話番号011-613-5445)にお問い合わせください。

D.使いこなしについて

Q 意思伝達装置でTVは見れますか?
A 意思伝達装置にはTV受信機能はありませんが、「何でもIR」などのリモコン装置をつないで、TVの電源、チャンネル、音量などを操作することができます。

Q 介助なしで使えますか?
A 残念ながら、まったくなしでは使えません。電源を入れたり、使いやすい位置にセットするなど、介助が必要な場面があります。それ以外の、日常的な使用の範囲では、スイッチ操作だけで使うことができます。

Q 寝たきりの状態でも使えますか?
A 身体のどこかをわずかでも動かせれば、スイッチによる操作が可能です。また、視線入力であれば、視線さえ動かせれば、意思伝達装置を使うことができます。意思伝達装置は、専用のスタンドに付けると、仰向けに寝た状態でも、操作可能です。

Q 使い始めてから、調子が悪くなったり使い方などわからないことが出てきた時は、どこに相談すればいいですか?
A メーカーによっては、電話やインターネットを介した遠隔操作による丁寧なサポートがある場合もあります。iCareほっかいどうでも、有料になりますが、サポートを行っています。札幌市内にお住まいであれば、 札幌市の障害者パソコンボランティア派遣事業(別窓で開きます)の利用も可能です。

Q 停電の時でも使えますか?
A パソコンを利用した意思伝達装置は、バッテリが切れるまで(せいぜい1,2時間)しか使えません。災害等に備えるには、発電機や大容量のバッテリを用意したり、口文字や透明文字盤のような電子機器を使わない意思伝達方法をマスターしておく、といった準備が必要です。